2024年、新NISAなどで株式投資が活況です。特にここ最近では、大型株、高配当株に人気が集まっており、一方のグロース株投資は非常に不人気なようです。
私は自分自身が某SaaS系グロース企業に勤務していた体験から、グロース企業の社会を変えていく力や成長性に期待をしており、グロース株投資を続けています。
個人投資家の方には、「グロース株は配当がない、配当があっても配当利回りが低いので投資しにくい」という方が多くおられると思います。実際のところ、グロース株の配当利回りは低く、日経平均銘柄は約1.8%程度あるところ、グロース株は0.6%程度の配当利回りとなっています(*1)。
こんなにもらえる!? 貸株料
そんなグロース株投資ですが、ネット証券の貸株サービスを活用すれば、株を保有しておくだけでもらえるインカムゲインは、大きく跳ね上がり、日経225銘柄と遜色がなくなることをご存知ですか?
以下の画像は東証グロース株の平均貸株金利の推移です。楽天証券、SBI証券、GMOクリック証券などの大手ネット証券のグロース株の平均貸株金利は1%を優に超えます。
一方の日経225銘柄の貸株金利は0.1%ちょっとです。グロース株は、本来成長が期待でき、株価の値上がりによるキャピタルゲインを期待できる銘柄が多く含まれています。
グロース株投資は貸株を組み合わせることで、キャピタルゲインだけでなく、インカムゲインも日経平均銘柄と同等の期待ができる投資になるのです。
貸株サービスの仕組み
日本では、2003年1月のマネックス証券がはじめた貸株サービスによって、小口の個人投資家も貸株が出来るようになりました。
今では、業界最大手のSBI証券や楽天証券など多くのネット証券会社で貸株サービスが利用できるようになっています。
ここで、日本証券取引所の記事を引用しながら、貸株サービスの仕組みを簡単に確認しておきましょう。
証券会社各社が提供するいわゆる貸株サービスとは、投資家が、保有している株券等を証券会社に貸し出すことで、証券会社からこれに見合う貸株金利を受け取ることができるサービスです。
上記の図で、右側の「他の投資家等」には、機関投資家だけでなく個人投資家が含まれます。
私が2010年代にネット証券にいた時代は、Bloomberg端末のチャットで野村證券など国内証券や、ゴールドマンサックス等の外資証券とやり取りを行い、相対で貸株取引を行っていました。
これらの証券会社は借りた株を自己勘定の空売りに活用したり、クライアントとなるヘッジファンドなど機関投資家に更に株を貸出しています。
私がネット証券に在籍していた2010年代は、ネット証券が株を貸出す先は証券会社など機関投資家が多かったのですが、現在は、空売りする個人投資家の存在感がずっと増していると感じます。
貸株サービスの申し込みや利用は非常に簡単!
貸株サービスは基本的にネット証券のオプションサービスになっています。申し込みには利用規約の同意などを行えばすぐに利用開始ができ、後は普通に株を売買するだけです。
買った株は設定によりますが、基本的に自動的に貸株に出され貸株金利が得られます。また貸株に出された株を売ることについての制約もなく、いつでも売りに出すことができます。
誰でも非常に手軽に活用できるのが貸株サービスなのです。
これから別の記事で、貸株サービスの詳しいサービス内容やリスク、おすすめの使い方などについて説明していきたいと思います。